心理学
帰宅途中に、道端で倒れている人を見かけた。すでに周囲にいたひとが声をかけて介抱していたのでそのまま通り過ぎてしまったのだが、そのとき私の中で、心理学で学んだ傍観者効果の話を連想した。困った人がいるとき、周囲に人が多くいるほど誰も助けない、…
ある有名な症例研究では、生後八か月の男児が包皮切除の失敗でペニスを失った。両親は有名な性研究家のジョン・マネーに相談した。マネーはかねて「自然な姿というのは、性差の現状を維持しようとする者たちの政治的戦略である」と主張していた。彼は、赤ち…
『言語哲学大全』で推薦されている論理学の入門書、Wilfrid Hodges, Logic で、演繹的に妥当な推論の例として、次のような文章が紹介されている。 Criticisms which stem from some psychological need of those making them don't deserve a rational answe…
マット・リドレーの『徳の起源』を読んだ。以前、途中まで読んだのだが、難しくて止めてしまった覚えがある。今回はいちおう最後まで読みきったが、正直理解できなかったところも多い。ただ、中盤で誤訳をいくつか見つけたので、これが以前読むのを諦めた原…
スティーブン・ピンカーの名著『言語を生み出す本能』をひさかたぶりに読み返してみた。以前読んだときよりも知識がついたおかげか、前はほとんど流し読みしていたような箇所にも目がいくようになり、あらためて情報量の多い本だなと思った。 しかし、本書の…
ウェイソンの選択課題とか確証バイアスについて、少しばかり調べものをした。ウェイソンの選択課題については CiNii 論文 - ウェイソンの4枚カード課題に関する研究のレビュー : その1・1966年〜1979年まで CiNii 論文 - ウェイソンの4枚カード課題に関する…
ドラマ 「ビッグバンセオリー」から。星占いの好きなペニーに対して、シェルドンが冷や水をぶっかけるシーン。 Sheldon: For the record, that psychotic rant was a concise summation of the research of Bertram Forer, who in 1948 proved conclusively …
記憶研究で有名なロフタスの著書を読んでみた。 抑圧された記憶の神話―偽りの性的虐待の記憶をめぐって 作者: E.F.ロフタス,K.ケッチャム,仲真紀子 出版社/メーカー: 誠信書房 発売日: 2000/06 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 13回 この商品を含むブ…
ボリス・カーロフが人造人間を演じていることで有名な『フランケンシュタイン』の映画って、原作の小説とはほとんど別物だということを最近知った。原作だと、人造人間はちゃんと頭の働いている怪物だけど、映画だと池沼みたいだ…。 このシーンは結構有名み…
大澤真幸は、フロイトやマルクスのテキストを実証主義的に読もうとすると、退屈極まりないアウトプットしか出てこないのに対して、むしろ彼らのテキストを聖典であるかのように教条主義的に読むことで生産的なアウトプットが出てきた、という「逆説」につい…
デネットの『解明される意識』を読んでいて少し疑問に思ったことを二つほど。 デイヴィド・ヒューベルとトーステイン・ウィーゼルが1981年にそれによってノーベル賞をもらった視覚に関する「発見」のいくつかにしても、現在では白紙に戻されている p.59 これ…
フロイトがシャーロック・ホームズのファンで、精神科医としての自分をいわば心の探偵だと考えていた、という話を聞いたことがある。このお話の典拠を知りたいなぁと前から思っていたのだが、昨日の日記で紹介した大澤『量子の社会哲学』によると、「狼男」…
『ゼノサーガ エピソードI』には、次のようなやり取りがある*1。 シオン:素体形成完了 ペンフィールドマッピング開始 … シオン:アレン君、視覚野の接続状態が悪いみたいなんだけど― アレン:ええと―ああ、MT野のK12ルートに軽度の断絶がありますね。あとV4…