Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

社会学

クラスの混同

上野千鶴子『構造主義の冒険』(1985年)p.70から。 「支配の正統化」とはウェーバーが定式化して以来、支配に内在する永遠のパラドックスである。このパラドックスは、正統性は自らの内には正統化根拠を持たない、という矛盾に起因する。正統性が自らの正統…

eternalwind氏追悼

俺は自分が貧乏人の生まれで、貧乏人の立場から見て、「弱者の味方リベラル様」の意見が全く役に立たず、むしろ弱者の敵になってる事実に怒ってるだけのアカウントなんですよ。たまたま受けてるのは、俺と同じような意見が世界的に表面化してるからでしょう…

ルーマンの機能概念

「行政学における機能概念」というルーマンが1958年に書いた論文の訳をネット上で見かけたので、冒頭部分を少し読んでみた。 行政学における機能概念 - たけみたの脱社会学日記 ルーマンの特徴は「関数」と「機能」をほとんど同義語として取り扱おうとする姿…

婚姻規則と群

人類学者の講演を聴く機会があったのだが、それで、未開社会の婚姻規則の話はやはりちょっと面白そうだという気がしてきて、その後自分で少し調べてみた。とりあえず、昔読んだことのある橋爪大三郎『はじめての構造主義』を家の本棚からひっぱりだして、関…

戦後日本の殺人の動向

この国はオヤジが最も人を殺す/松沢哲朗・長谷川寿一『心の進化』 読書猿Classic: between / beyond readers という記事を見つけた。2009年の記事で、しかも参照されているのは2000年の文献とやや古いのだが、興味深い。主旨はタイトルにもあるように、この…

メディアはメッセージである

「メディアはメッセージである」というマクルーハンの格言は、 なにかを情報を与える意図(情報意図) その情報意図を相手に読み取らせるという伝達意図 という重要な区別を無視している、という光学さんの記事を読んだ。 flip out circuits: 「メディアはメ…

宮台氏の科学的実在論

こういう文章を見かけたのだが アリ・フォルメン監督『コングレス未来学会議』について書きました 科学的実在論/反実在論を取り上げている最初のセクションは本文全体に関係あるのだろうか。関係あるにしても、このセクションの議論は色々杜撰だと思う。例…

ヘンペルに関する誤解

宮台真司の文章にはヘンペルの名前がたまに出てくるけど、なんか私の知ってるヘンペルとだいぶ違う…。気になった点をいくつか記しておく。 ヘンペルやアシュビーの不可能性定理*1 アシュビーは名前しか知らないので措くとして、ヘンペルにそんな禍々しい名前…

プロ倫

このブログ、これまで社会学をほとんど話題にしていないので、これでは看板に偽りありかなと思い、ウェーバーの『プロ倫』を読み始めた。読んだことなかったんですよ、これ…。 読み始めて思ったけど、大学1年生とかに読ませるには相当にキツい本だ。岩波文庫…

インセストについてのメモ

近親交配について少し調べたのでメモ。 それは有害なのか まぁ、一般に言われているように有害なのであろう*1。劣性の致死遺伝子は、ホモになった場合だけ発現する。一人の人間がもっている致死遺伝子の数はよく分かっていないようだが、ポイントは、近親交…

団塊の世代

団塊の世代という人々は、評価が難しい存在だ。高度成長を支えたとか言われる一方で、若い世代からは口汚くののしられたりする。例えば、古い記事だけど kagaminblogのブログ : 団塊の世代 −絶対的自信の世代− - livedoor Blog(ブログ) この記事によると、…