同じ体積の、高温の水と低温の水を冷却すると、高温の水のほうが早く凍ることがある、という話がある。これは、発見者となったタンザニアの中学生にちなんで「ムペンバ効果」と呼ばれる*1。
信じがたい話だが、再現するのは難しいものの、まったくのデタラメでもないらしいというから驚きである。
ちなみに、wikipediaの記事によれば、アリストテレスやデカルトも、このムペンバ効果に気づいていた可能性があるようだ。昨日の記事にもあるように、ちょうど『デカルト著作集』1巻を図書館で借りているところだったので、典拠を探してみたところ、『気象学』第1講の最後の方で該当箇所を見つけた。参考までに引用しておく。
火の上に長時間かけてあった水は、そうでない水より早く氷る。これは水の微小部分のうち、もっともたわみにくいものが、熱せられているあいだに蒸発するためである。p.230
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*1:『知の理論を解読する』p. 75