Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

笑う哲学者

ブラックバーンが編集している『図鑑 世界の哲学者』という本を図書館で借りてみたのだが、美しい図版がたくさん収録されていて大変面白い。文章を読まずに眺めてるだけで楽しめる。

デモクリトス肖像画とか、はじめて見た気がする。

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「陽気なデモクリトス

いい笑顔である。そういえば、デモクリトスには「笑う哲学者」という異名もあるのだったっけ。「人間にとって最善とは、できるだけ上機嫌で、できるだけ不機嫌であることなく、人生を送ることである」(断片189)。岩田靖夫によれば、「上機嫌」という概念がデモクリトス倫理の中心概念であり、これは口腹のようなはげしい快楽ではなく、静かで上品な快楽なのだそうだ*1

笑顔の肖像画といえば、18世紀フランスの唯物論者ラ・メトリーにも、歯を出して笑っている肖像画がある。

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「ド・ラ・メトリの肖像」

ド・ラ・メトリというと、『人間機械論』というタイトルの本を書いた人、くらいにしか知らないのだが、彼はなぜ笑っているのだろうなぁ…。

*1:岩田『ヨーロッパ思想入門』p.53