移動中の読書で、倉田剛『現代存在論講義I』(2017年)をざっと読んだ。読みやすくていい入門書。最後に読書案内も載っているのだが、分析形而上学は日本語でよめる入門書が多くていいですな。この読書案内には載ってなかったけど、アール・コニーとテッド・サイダーの『形而上学レッスン』なんかも入門書としてよかった。
『現代存在論講義I』は、この手の入門書にしては注が充実してる。大学院生・研究者向けの情報という感じなのかもしれない。文献情報など、勉強になった。
気になった箇所を二つほど。
- マイノング主義の説明をしている箇所の注(p.68n18)で、非存在者への量化ををあらわすのに通常の「∃」だと混同を招くので「Σ」を使う、とあるけど、そうなのだろうか?それは代入量化の記号では?と思った。プリーストの本だとフラクトゥールの「S」を使っていたような。
- p.116の「(5)は、たとえ・・・」の段落はちょっと見栄えが変。インデントのミスだろうか。