Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

京大生の放蕩

以前、山田晶アウグスティヌス講話』という本を読んだときに印象的だった箇所がある。アウグスティヌスカルタゴに留学したときに放蕩に目覚めてしまったという話を紹介するくだりで、山田先生によれば、これは京都大学に合格して京都に移ってきた若い学生が誘惑に負けてしまったようなものだ、と(文庫版p.25)。

最近、井上章一の本を読んでいたら、少し前までの京都は東京や大阪と並んで淫靡な街として知られていたのだ、と論じていて、その際にこんな話を紹介している。1897年に京都帝国大学が開校したとき、初代総長は入学式で新入生たちに京都には気を付けろ、誘惑の多い土地だが負けるなよ、と告げたのだとか*1。この話を読んで、山田先生の喩えが何となく説得力あるような気がしてきた。

*1:『京都ぎらい 官能篇』p. 96