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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

『存在論的、郵便的』批判(2)

ゲーデル

不完全性定理について調べたついでに、『存在論的・郵便的』ではゲーデルにどんな風に言及されているのか少し見てみたけど、あんまり面白い箇所はなさそう。一つ前の記事で引用した仲正氏の本の文章とかは、第一不完全性定理にかなり類似したステートメントが出てくるので「単なる比喩」だという言い訳はできそうにない感じだけど、『存在論的・郵便的』の方はそういうステートメントを見つけるのが難しそう。用語法があやしい箇所はあるものの(例えば、p.235の「無矛盾性consistency」の使い方)*1、うまくぼかしている、という印象…。

なので、ゲーデルへの言及に注目して『存在論的・郵便的』を叩くのは筋が良くないという結論に達した。まぁ実際、前にこのブログでこの本を取り上げたときには、ラッセルとクリプキ言語哲学に関して誤解があるのでは、という指摘にとどめたのだった。

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*1:一般に、この本の「矛盾」という概念の使い方は相当ルーズに見える。「「同じものが英語とドイツ語とで違う名で呼ばれる」ことは、少し検討すれば分かるように、明らかな矛盾を導く」(p.34)とか。タルスキの意味論とかに慣れていると、この引用は何を言っているのかまるで理解できない。