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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

空海の謎

歴史 科学史

ちょっと前に高野山を特集した番組があって、それを見ていたら、

というようなことを歴史学者の磯田道史さんが言ってた。何だかあまり鵜呑みにはしたくない解説だなと思った。

まず、緯度が同じなら、高野山長安の真東にあるのだろうか。ここには方角に関するちょっと面倒な事情があると思う*1長安における真東の方角は、長安を通る経線に直交する大円であり、高野山はこの大円の上にはない。ただし、コンパスを携えて、長安からつねに真東に移動し続けるならば、緯線の上を移動することになり、したがって、緯度が同じ高野山にたどり着くだろう。

地球が球形だと前提するなら、ある地点の緯度はその地点における北極星の高度と等しい。だから、緯度を調べるには北極星の高度だけ調べればいい。一見すると、これがそれほど高度な天文的知識を必要するとは思いにくいが、高度なのは、地球が球形だという前提を採用することかもしれない。古代ギリシャ人は地球が球形だと気付いていたが、東洋ではそうではなかった、という話を聞いたことがある。空海が地球は球形だと思ってなかったとすれば、北極星の高度を調べたのではないのだろう。しかし、地球が球形だと思ってないなら、そもそも緯度の概念を持ちだすポイントがない気もするのだが…。