ヒラリー・パトナムの論文集『実在論と理性』の訳者あとがき(p.384)で、飯田先生は次のように書いている。
それまでパトナムの著作の「翻訳」がなかったわけではない。ところが、そのうちの一冊は、それを手にとって見たことのあるひとならしているように、あまりのひどさに恐れ入るような代物だったのである。(この「訳書」に関しては、あまり翻訳の善し悪しについて云々しない日本の学会誌では珍しいことに、もっぱら翻訳の出来具合を論じた歯に衣をきせぬ書評が日本科学哲学会の雑誌『科学哲学』に載ったことがある。)
これ、どの訳書なんだろう。とりあえず『科学哲学』の書評をj-stageで検索したところ、Meaning and Moral Sciences (1978) の訳書に対する辛口書評を見つけた。
でも、この書評は「もっぱら翻訳の出来具合を論じ」ているわけではないし…。とすると飯田先生が念頭に置いてるのは別の本だろうか。