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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

異人殺しとキツネ憑き

大澤真幸

このブログでも以前取り上げたCuvie先生の最近の作品『籠女の邑』について少し。

籠女の邑(1) (シリウスコミックス)

籠女の邑(1) (シリウスコミックス)

このサスペンスというかホラーみたいな漫画は、異人殺し(六部殺し)とキツネ憑き(オサキモチ)という民話を組み合わせている。

大澤真幸の『自由の条件』(pp.174--176)によると、これらの伝説の起源は、江戸時代頃にさかのぼり、どちらも村の特定の家が急速に富を蓄積しはじめたときに、それを説明するための原理として解釈できるらしい。異人殺しの伝説は、旅人を殺して金品を略奪して、それを元手にして繁盛しているらしい、という現実的な説明を与える。キツネ憑きの伝説は、憑き物の呪力によってお金が舞い込んでいる、という幻想的な説明を与える。

異人殺しの方はキツネ憑きよりも新しい伝説で、江戸時代中ごろにできたという。そして、面白い符合として、同時代にはごく一般の村落にまで貨幣経済が浸透してきたのだとか。なるほどねぇ…。