ウナギについて少し調べている。ウナギがどうやって繁殖しているのかは古代から疑問とされていた。川に生息しているウナギを捕獲して解剖しても卵巣が見つからないために、魚類とは異なるとされ、自然発生説を支持するサンプルにもなっていた。
しかし、実際には、ウナギの成魚は河口から外洋の産卵場へ移動し、人間の目につかない場所に行ってから卵や精子が成熟し、生殖巣が発達するらしい。ヨーロッパウナギの場合には、北大西洋のど真ん中で産卵を行なう*1。はじめて聞いたときは「ウソでしょ!?」と思ったものだ。事実は小説より奇なり・・・。
wikipediaの「ヨーロッパウナギ」の項目で出典として挙げられている『海の動物百科』は説明が平易な割には水準が高く、カラー写真が豊富でとてもいい。どうでもいいけど、wikipediaの項目だと『海の動物百科3 魚類I』と書いてあるが、ウナギ類について記載しているのは『海の動物百科2 魚類I』である。おかげで、図書館で借りるとき一度失敗した。
面白いことに、この本の中にも細かな誤植を見つけた。せっかくなので記しておく。
発達した卵巣は、1977年にボローニャのモンディニ教授が見つけるまで知られていなかった p.30
1777年ではなかろうか…。
性的に明らかに成熟した雌のウナギが初めて捕獲されたのは、1987年のことで、場所はメッシナ海峡(イタリア)であった p.30
これは1887年ではなかろうか。っていうか、なんでどっちも20世紀になってるんだ…。