最近、定評あるHerbert Endertonの教科書(A Mathematical Introduction to Logic)の日本語訳が出た。私もこの本で論理学を勉強した人間の一人なので、この素晴らしい本が多くの人に読まれるのは喜ばしい。
amazonのレビューがとんでもないことになってるが、見なかったことにしよう。
さて、日本語訳を手に取る機会があったので、訳者のコメントを読んだところ、シェークスピアなどからの引用がちりばめられている、と書いてある。「あれ、そうなの?」と思ったが、訳注で解説されている箇所がいくつかあって、たしかに改めて見てみると、変わった例文とか使ってたのね。例えば、1.1節では、条件文の例で
- If wishes are horses, then beggars will ride.
2.0節では、存在量化文の例で
- There is something rotten in the state of Denmark.
これは『ハムレット』をもじったものらしい。
まあ、こういう箇所はそう多くはなさそうなので、記憶に残らなかったのは不思議でないかな。高尚な例文がいっぱい出てくる論理学の教科書としては、ウェズリー・サモンの『論理学』とかいいと思う。