Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

対数正規分布

最近読んだ松下『統計分布を知れば世界が分かる』(中公新書)は、正規分布・べき乗分布・対数正規分布がそれぞれどのように現実世界の統計的現象に当てはまるのか分かりやすく説明されていて参考になったのだが、一つ気になった点をメモしておく。

身長が正規分布に従うとよく言われる*1。身長が正規分布にしたがうのは、身長に影響するいろいろな要因が無数に積み重なり、しかもそれらは相互に独立しているので、中心極限定理によって正規分布に落ち着くからだろう(pp.9-11)。これはなかなか説得的な推測に思える。

身長とちがい、体重の分布は右すそが大きく尾をひいていて、正規分布には従わない。では何分布に従うのか、ということになるが、この本では対数正規分布で近似している。ただし、単一の対数正規分布ではどうしても無視できないくらい外れる部分がでてくるので、二つの対数正規分布を足し合わせるということをする、としている(p.107-11)。そういうのを二重対数正規分布というのだそうだ*2。二つに分けるのは、肥満体質のグループと普通の人のグループに層化するためである。

これはこれでなるほどという感じなのだが、ふと思い出したのは、むかし統計学を勉強したときに読んだ「赤本」こと『統計学入門』(東大出版会)だと、体重はガンマ分布に従うとされていることだ(p.126)。この二つの分布は密度関数の式をみるかぎり、別物だと思われるのだが、どういう関係にあるのだろう。

*1:ただし、成長途上の子供に関してはそうではないようだ。pp.102-107

*2:対数正規分布にしたがう二つの確率変数X, Yの積XYはふたたび対数正規分布にしたがうが、X+Yの場合には再生性はないようだ