Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

最凶の敵は自分の中にいる

The worst foe lies within the self.

最凶の敵は自分の中にいる。

スクウェアの Parasite Eve のオープニングムービーに出てくるこのフレーズ。どうもニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』第一部の「創造者の道」に由来する*1

しかし君が出会う最悪の敵は、いつも君自身であるだろう。洞穴においても、森においても、君自身が君を待ち伏せしているのだ。

ニーチェの言葉とされるものは、しばしば典拠が不明だったりするので注意が必要だが*2、これは対応する箇所を運よく見つけられた。

まぁ、由来なんて知らなくても、これがどういう意味なのかは2周目の隠しエンディングを迎えれば分かるようにできている。というか、最凶の敵が自分の中にいる、というモチーフはある意味最初から暗示されている。シナリオ1日目で、イヴは「おまえの細胞の奥から聞こえるはずだ…目覚めよと呼ぶ声が…」と言っている。そういうわけで、エンディングでバッハの「カンタータ140番 目覚めよと呼ぶ声あり」がオルゴール音で流れる。しかも、同じメロディーが冒頭の Waiting for Something Awakens というBGMのド真ん中でノイズのように出現するし…。

*1:西尾幹二ニーチェとの対話』p.66

*2:例えば、「過去が現在に影響を与えるように、 未来も現在に影響を与える」とか、ニーチェの言葉としてよく引用されてるけど、一体どこに書いてあるんだろう…。