Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

ボロノイ図

最近、ボロノイ図Voronoi diagramというものを耳にした。直観的な説明としては、平面上に複数個の点が与えられたときに、それらの点への近さによって平面を領域分けした図のこと。領域と領域の境界線は、与えられた点と点の二等分線(の一部)になる。詳しくは、wikipediaの記事を参照。

この記事によると、「ボロノイ図の利用例は(きちんとそれが定式化される以前も含めれば)1644年のデカルトまで遡ることができる」。どの文献か記されてないが、1644年は『哲学原理』が出版された年なので、おそらくこれだろう(『幾何学』ではないのか…)。

どんな風に使われてるのか。デカルトは宇宙が無数の渦巻き運動の集まりで、その渦巻きの一つ一つの中心が恒星で、そのまわりに惑星が浮かんで回る、と考えていた(渦動説)。で、それを以下のような図でイメージした。

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この図は以前、野田又夫デカルト』(岩波新書)という本を読んだときに目にしたことがある(p.141)。たしかに、何となくボロノイ図っぽく見える。なお、図の上のほうにあるウネっとした曲線は天の川だそうです…。