Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

命題変数

古典命題論理についてのメモ。命題論理において

  • A v not-A
  • A → A

のような式はトートロジーと呼ばれる。Pをどのように解釈しようと、これらの式は常に真になる。

この「どのように解釈しようと」という部分を、対象言語の中で直接に表現する方法として、命題変数に量化を行なうという手段がある。それによって、例えば

  • ∀p(p v not-p)

といった表現を得ることができる。

命題変数への量化を言語に導入すると、否定や連言や選言を定義することができるようになる(ラッセル=プラヴィッツ翻訳)*1

  • ¬A =df (A → ∀p p)
  • A & B =df ∀p( (A → (B → p)) → p)
  • A v B =df ∀p( (A → p) → ((B → p) → p) )

否定に関しては、不合理を∀p p で定義できるというのがミソになっている。EFQは全称例化の推論としてシミュレートする。

*1:cf. Russell, Principles of Mathematics, sec. 18-19