Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

ハレー彗星

彗星は古くから不吉な印として恐れられてきた*1。そうした迷信が払しょくされたのはそれほど昔のことではないらしい。例えば、ハレー彗星が1910年に地球に接近したときには次のような騒動があった。このときの接近はちょっと特殊で、彗星の長い尾の中を地球が通過すると予想された。彗星の尾が青酸化合物を含んでいるので、この世の終わりだと信じる人々が現れた。天文学者たちは、たとえ地球が彗星の尾を通過したとしても、濃度は低いから大丈夫だと主張したのだが無駄だった。日本とロシア、アメリカ南部と中西部の大部分でパニックが生じた*2

このエピソードはなかなか想像力をくすぐるようで、いろいろなSF作品で取り上げられてきた。『ドラえもん』は「ハリーのしっぽ」という回がこの話を下敷きにしている。私が好きなのは、エニックス(現スクウェア・エニックス)の名作『ガイア幻想記』(1993)で*3、これはさらに風呂敷を広げていて、周期的に近づいてくる彗星が地球に大規模な影響を与えるという設定になっている。ムー大陸の文明は過去に彗星が近づいたときに環境が破壊されたせいで崩壊した。船を作って島を脱出しようとした人々はいたけれど、木がない。石で船を作ろうとしたけど、浮かばない。そこで、海底にトンネルを掘った…などなど。

昔『ガイア幻想記』をプレイしたときには、彗星にまつわる先のエピソードもさることながら、そもそも『ガイア幻想記』のシナリオライターである大原まり子がSF作家として著名な人であることすら知らなかった。年はとるものだ*4

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*1:cf. ラッセル『怠惰への讃歌』14章「彗星について」

*2:ガードナー『リスクにあなたは騙される』p.384, セーガン『COSMOS(上)』p.151f

*3:ソウルブレイダー』『天地創造』と並んで三部作の一つということになってる。

*4:最近気づいたこととしては、他に、ピラミッドのBGMが映画「アラビアのロレンス」にインスパイアされたんだろうな、とか。