『神曲』という思い作品を「地獄篇」だけとはいえ読んだ後なので、軽い物を読もうということで、ラノベに手を出してみた。
以前、これの漫画版をBook offで読んで、原作も気にはなっていた。漫画版は1巻で打ち切られてしまったようで。個人的には割と面白かっただけに残念だった。
この星海社文庫版では、イラストレーターも変わってしまって、最初同じ作品なのかと戸惑ったくらいだった。エロ可愛いかったエルシード様は少年に…。いや、エロ可愛いかったのは漫画版だけなのかしら。
巻末をみると、参考文献がズラっと並んでいて、中にはギボンの『ローマ帝国衰亡史』とかもあって、ラノベとは思えない重厚さにヲヲってなる(当時はラノベっていう観念はなかったのかもしれないけど)。実際、第1話はかなり重厚なシナリオで、それに比べると第2話の方は展開がずいぶんとコミカルになっていて、今のラノベとあまり変わらない…。それにしても、これを20歳で書いたというのは本当に偉いなぁ。
漫画になったのは第1話だけだが、実際小説も読んでみて第1話が良かったので、打ち切りとはいえ、あそこで終わってよかったのかもしれない。もっとも、漫画版は尺のことを考慮してかかなり圧縮されているけれど。印象的な場面は、エルシードが年上の甥に殴られるところだったのだが、これが漫画には含まれてなかったのは残念。