Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

S4.3

様相論理のメモ。文献を見ていると、S4.3を特徴づける公理型は

  • ◇P&◇Q → ◇(◇P&Q)∨◇(◇Q&P)
  • □(□P→Q)∨□(□Q→P)

の2種類あるようだ*1。これらが同値であることは体系Kで証明できる。これらに対応するフレーム<W, R>の到達可能性関係は、以下。

  • wRu & wRv → uRv v vRu

面倒なのは、これらとは少し違う定式化もあるらしいことだ。

  • ◇P&◇Q → ◇(◇P&Q)∨◇(◇Q&P) v (P&Q)
  • □(P&□P→Q)∨□(Q&□Q→P)

これらに対応するフレーム<W, R>の到達可能性関係は以下。

  • wRu & wRv → uRv v vRu v u=v

こちらの定式化は、さっきの定式化と同値にならない。ただし、到達可能性関係が反射的ならば、違いはつぶれてしまう(任意のuについてuRuだから、u=vのときにはuRvとなるから・・・)。

Postscript (2014/8/13)

更に別の公理型として

  • □(□P→□Q)∨□(□Q→□P)

を立てるやり方もある。対応するフレーム<W, R>の到達可能性関係はたぶん

  • wRu & wRv → [(uRx → vRx) v (vRx → uRx)]

なのではないかな・・・。この関係と、

  • wRu & wRv → uRv v vRu

は独立である。前者から後者を導出するには反射性を、後者から前者を導出するには推移性を仮定する必要がある。

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*1:時間論理ではこの公理をよく見かける。A. プライアーがS4では時間論理としては弱すぎると考えたことに由来するようだが…。