最近、スピルバーグの「リンカーン」を観た。この映画はリンカーンが死ぬ数か月前の政治的駆け引きだけに焦点をあてた異形の作品で、アメリカ出身の知人からも、リンカーンについて知るという目的のためにこの映画を見るのはあまりお勧めできないと言われた。
ところで、映画の中盤あたりで、リンカーンが「ユークリッドの公理」に言及して、無電通信士たちに奴隷解放問題に関連して自説を披露する場面がある。「ユークリッドの公理によれば、同じものに対して等しいものは全てお互いに等しい、という。人間も同じだ。白人でも黒人でも人間としては同じ価値を持つ」んだとか。これ、ググってみたら注目している人が何人かいたけど、2年ほど前に公開された映画「アレクサンドリア」でもヒュパティアが同じようなことを生徒たちに言い聞かせる場面が出てきたと思うんだ。別に、スピルバーグはマネしてるとかそういうことが言いたいわけではなくて、ユークリッドの公理と平等を結びつけるレトリックって結構有名なのかな、と気になったのでした。実際、どうなんだろう?
Postscript (2014/2/26)
ヒュパティアについては、オーセン『数学史のなかの女性たち』という本が1章割いて論じている。
- 作者: リン・M.オーセン,Lynn M. Osen,吉村証子,牛島道子
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (2件) を見る