今日は全単射の話をしてみる。
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/09/18
- メディア: 新書
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実際には、円くするのにはもっともな理由がある。y = tan (π/2 x)とすれば、[0, 1)と[0, ∞)との間に全単射がとれる。ただ、図形的なイメージに頼りすぎると、例えば、[0, 1]と[0, 1)との間にどうやって対応をつけたらよいのか分からなくなる。位相的な性質が違うから…。
こういうケースは、初見だと思案のしどころ。場合分けをして、(1/2)nの場合には(1/2)n+1をもってきて、それ以外の場合は恒等写像をとるとか、多分そういうことになる。迷ったらカントール・ベルンシュタインを使うという手もあるだろうけど…。
ところで、全単射といえば、野矢氏の好きな『論考』にも関連する箇所がある。
3.332 いかなる命題も自分自身について語ることはできない。なぜなら、ある命題記号が当の命題記号自身のうちに含まれることはないからである。
なぜ命題記号の中に命題記号が含まれないのかといえば、命題記号の長さは<有限>であるため、真部分集合と一対一対応が作れないから。