Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

大内宿とイザベラ・バード

この前紹介した、YouTubeの「ゆっくり大江戸」で大内宿の動画を見て触発されたので、その勢いで大内宿に行ってきた。知らない人向けに簡単に説明すると、大内宿は福島県会津あたりの宿場。江戸時代の雰囲気が残った景観が魅力的で、年間100万人ちかい観光客が来るらしい。

交通の便はあまりよくない。動画では鬼怒川まで鉄道で、そこから大内宿までは車、という少し変則的なルートを紹介していたけれど、私の場合は東北自動車道を使って車のみで移動した。鉄道だけで行く場合には、会津鉄道湯野上温泉が最寄り駅になるけど、そこから大内宿まではだいぶある。歩けないことはないと思うが、バスかタクシーになりそう。

大内宿の名物は、ネギを丸々一本使ったそば。ネギを箸の代わりにして食べる、という異色の一品だ。もちろん、そのネギも食べられる。いろいろなお店で提供されているけど、人気があって早めに売り切れるので注意が必要。それにしても、ネギを丸かじりして食べるなんてこれが初めてだ。

明治時代初期に日本を旅行した英国人女性イザベラ・バードも大内宿にきた、という話だ。別に大内宿が目当てというわけではないはずだが。彼女の旅行記に何か書いてあるかな、と思って調べてみたが、かなり短めの記述しかなかった。いちおう引用しておこう*1

この地方は実に美しかった。これまでは連日、頂きまで森におおわれた山々が連なる中をたどり、山王峠の頂からは夕焼けで黄金色に霞み、この世のものとも思えない美しい群山を眺めたのとは異なり、もっと広々としたもっとすてきな景色だった、私は大内という村にある養蚕場・郵便局・内陸通運会社継立所を兼ねる家で泊まった。大名が泊まった所でもあった。この村は 周りを山々で美しく囲まれた谷間にあった。翌日は早朝に出発し、噴火口のような凹地にある公沼という小さな美しい湖の畔を通ったのち、市川峠に至る長々と続く大変な峠道を登って行った。…

まぁ、大内宿はそれほどたくさんの見どころがあるというわけではないので、2時間もあれば観光には十分な気もする。なお、今回の私の場合は一泊二日の小旅行で、初日は移動して、大内宿とその周辺を適当に散策して、湯野上温泉に宿泊。二日目は会津若松に移動して、会津城や日新館を見学して、帰宅、という感じ。会津に行ったのはこれがはじめてなのだが、中々の好印象。あと、大河ドラマ『八重の桜』を見返したくなった。

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*1:『完訳 日本奥地紀行1:横浜ー日光ー会津ー新潟』p.219f