Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

蒼き狼と白き牝鹿IV

『チンギスハーン:蒼き狼と白き牝鹿IV』(光栄1998)という古いゲームをやり直している。子供の頃は、とにかく強い将軍を集めて都市を征服するのが楽しかったが、今は街道や港といったインフラを整備するのがとにかく楽しい。例えば、都市AからBへの街道がすでにあっても、より短い街道をわざわざ作っている。街道といえば、藤子F不二雄の傑作『T・Pぼん』にある「ローマの軍道」というエピソードを連想する。古代ローマの繁栄の基礎となったのは街道であるという結論になっているのだが、いま自分が『チンギスハーン』でやってることは、アッピア街道を作ったアッピウス将軍と同じ境地に達したということか…。

以前プレイしたときは攻略サイトをまったく観なかったのだが、攻略情報を仕入れてみるといっそう楽しめる部分もある。隊商を大量に送り出して敵国の都市を取り囲んでユニットを出せなくするとか、まったく気づかなかった攻略法だった。このゲームはかなり難易度低めのヌルゲーなので、そんなえげつないことをやってしまったら、ますます簡単になってしまうが。適度な難易度にするには、騎兵が弓を使うのを禁止するとか、投石器や大砲のユニットを禁止するとか、一定の制限を課す必要があるくらいだ。国王の王族の数も制限しがほうがいいかもしれない。医学の都になると妊娠確率が100%になるので、王族のユニットを量産できてしまう。まぁ、実在したモロッコ皇帝イスマイルのギネス記録を超えるのを目標にしてもいいかもしれないが。毎ターン4人くらい子供をもうけたとしても、800人を超えるには何年かかるんだろう…。

教養がついて楽しめるようになった部分もある。『チンギスハーン』には哲学者のトマスやオレーム、詩人のダンテ、科学者のベーコンやトゥーシーが「将軍」として登場する。こういった人文系の人々は戦闘向きではないので、子供の時にはまったく注目していなかった。ちなみに、イスラム学者の名前はちょっと一貫性がなかったりもする。アヴェロエスはラテン名の「アヴェロエス」ではなく「イブン・ルシュド」で登場するが、マイモンデスは「イブン・マイムーン」ではなく「マイモニデス」というラテン名で登場する。

なお、実在する人物だけでは将軍の数があまりにも少ないので、『チンギスハーン』に登場する人物の大半は架空の人物である。架空の人物の命名システムを詳しく解説しているサイトがあって驚いた*1

やはり古いゲームは年とってからやり直してみるものだね。