赤月みゅうとが最近連載しているエロ漫画「リンガフランカ*1」を読んでたら、マリノフスキがトロブリアンド諸島の女たちについて書いた文章を思い出した。
儀礼として認められた形式の一つに、女たちがおおっぴらに性の手ほどきをするという驚くべき形式がある。野良仕事の季節に、女たちは共同で除草作業をするが、その場所をたまたま通りかかった見知らぬ男は、だれでも大変な危険にさらされる。女たちは彼を追いかけてつかまえ、恥部おおいの木の葉をむしりとり、大騒ぎしながらひどく破廉恥なやり方でその男を扱うのである*2。
まぁでも、違いもある。この漫画に出てくる女たちは「子種」とかいう言い方をしてるけど、マリノフスキによれば、トロブリアンドの人々は性行為と妊娠の間の因果関係を分かっていなかったらしい(!!)。トロブリアンドの男たちが特に醜いと言って敬遠し、性的交渉から完全に締め出されているように見えた女たちの内の何人かは、じっさいには複数の子供を産んだらしいのだが、彼らはこうした女たちが存在することでもって、性行為と妊娠には因果関係がないと主張したのだとか*3。醜すぎて、どの男も「俺は実はあの女とやったのだ」と名乗り出られなかったというわけですね…。