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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

ラッセルと大陸合理論

ラッセルに関するメモ。

野田又夫によれば、デカルトとラッセルの間には、いくつかの共通点があるのだとか*1

  1. 数学的論理的分析を重んじた
  2. 二元論
  3. 認識と実践の区別を際立たせる
  4. 解析幾何学を数ヶ月で展開したデカルトと、『数学の原理』を数ヶ月で書いたラッセル

野田氏は近世哲学の研究者だと思っていたのだが、ラッセルの『私の哲学の発展』を訳しているようだ。

ラッセル『哲学入門』(ちくま学芸文庫)の訳者解説は、ラッセルをイギリス経験論の系譜に位置づけるのが適切かどうかという問題を扱っている(pp.261-267)。まず、経験論の系譜に連ねる理由としては、以下のようなものが考えられる。

  • センスデータは観念と似ている
  • ヘーゲル主義との格闘によって自分の哲学を形成したことは、大陸合理論vsイギリス経験論という構図と重ね合わせたくなる

他方、ラッセルを経験論の系譜に連ねるのが適切でない理由は以下。

  • センスデータは心的対象ではないとされている。
  • 普遍の存在にコミットしている
  • ヘーゲル主義から脱する上で役割を果たしたのは、ライプニッツ研究であった
  • 『哲学入門』を執筆している時期に、ラッセルはプラトンを集中的に読んでいる

訳者解説を書いている高村氏は、ラッセルの哲学的好みは、圧倒的に合理論寄りであると判定している。

*1:野田又夫デカルト』p.112, 168n19