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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

ハレー彗星

科学史 ゲーム

ハレー彗星は約76年周期で地球に接近する。前回の接近は1986年で、次回は2061年だとか。

1910年の接近については面白いエピソードが残っている。彗星の長い尾の中を地球が通過すると思われていたとき、日本とロシア、アメリカ南部と中西部の大部分ではパニックが生じた。彗星の尾がさまざまな成分に加えて青酸化合物を含んでいることを発見したためである。もっとも、天文学者たちは、たとえ地球が彗星の尾を通過したとしても、濃度は低いから大丈夫だと主張したのだが*1

これはなかなか想像力をくすぐる話で、いろいろなSF作品で取り上げられてきた。『ドラえもん』は「ハリーのしっぽ」という回がこの話を下敷きにしている。私が好きなのは、エニックス(現スクウェア・エニックス)の名作『ガイア幻想記』(1993)で、これはさらに風呂敷を広げていて、周期的に近づいてくる彗星が地球に大規模な影響を与えるという設定になっている。例えば、ムー大陸の文明は過去に彗星が近づいたときに環境が破壊されたせいで崩壊した。船を作って島を脱出しようとした人々はいたけれど、木がない。石で船を作ろうとしたけど、浮かばない。そこで、海底にトンネルを掘った…といった具合である。昔このゲームで遊んだときには、このような歴史上のエピソードは知る由もなかったのだが、今思えば、よくできた設定であった。そもそも『ガイア幻想記』のシナリオライターである大原まり子がSF作家として著名な人であることを知ったのは、このゲームをやってからずいぶん時間が経ってからのことだった。

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*1:ガードナー『リスクにあなたは騙される』p.384。Wikipediaの「ハレー彗星」の項目にはもっと詳しい説明がある。