指標詞には二種類あると言われる。
- 純粋指標詞pure indexical:「私」「今日」「ここ」など
- 直示語demonstrative:「これ」「あれ」など
指示対象を決めるために発話者の意図が絡んでくるのが直示語という感じだろうか。
こんな区別はたぶん1970年代くらいまでなかったし、そもそも「指標詞indexical」という用語法すら定着していなかったのではないかと思われる。クワインの『ことばと対象』(1960)の21章にある註によれば、当時は
- イェスペルセン:転移詞shifter
- ライヘンバッハ:トークン反射的token-reflexive
- パース:指標index
といった多様な名称があったことがわかる。