『菅野ひろゆきメモリアル』を買ったまま放置していたのを思い出し、何かやってみようと考えた。『タナトスの恋』というのが何となく気になりインスコしてやってみたのだが、大正解だった。非常に面白くて、掘り出し物感があった。
あらすじは以下
実の弟に恋をする姉、奈緒美。
しかし、社会的道徳観に苛まれているため想いを伝えられない。
そんな自分を変えるために、弟への想いを断ち切るために、奈緒美は恋人の脳外科医、吉沢卓也に21年間守ってきた純潔を捧げてしまう……。
それでも心は晴れることはなく……。
そんな中、奈緒美は不慮の事故に遭い、帰らぬ人になる――筈であった。
目覚めた奈緒美に待っていた現実――脳移植――まったく知らない姿形をした自分、そして家族。
――私は死んだのだ。この瞬間に――
最愛の弟と、理不尽に縁を断ち切られてしまった奈緒美。
――もう、あの子と私は、姉弟じゃない――姉弟、じゃ、ない。
なら。
肉親でないなら、他人であり。他人であるなら――
奈緒美は神が与えてくれた幸運に心から感謝する。
そして、枷が外れた奈緒美は動き出す。最愛の弟と結ばれるために……。*1
要するに、脳移植が可能な世界で、弟に欲情してしまった姉が脳移植によって弟と結ばれる、というお話。社会的には一度死んだことになっているので、まさにタナトスの恋…。
選択肢とエンディングの数がかなり多く、唯一のトゥルーエンドを別とすると残りは全部バッドエンド。ミステリー要素があるので、むしろ多様なバッドエンドを楽しむゲームかもしれない。設定にいろいろ無理があるので、それが終盤になってあらわになってくる感じがする。実際、トゥルーエンドはそれほど面白くない。しかし、軽妙なセリフ回しとかは、まさに菅野作品という感じでファンはかなり楽しめるのではないでしょうか。