Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

軌道エレベータ


池田信夫が数年前におしていて話題になったのが記憶に新しい軌道エレベータだが、軌道エレベータをテーマにしたSFを読んだ。

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

「それ何てラノベ?」って最初思った。全然知らなかったけど、割と本格派の小説家さんなんでしょうか。ちなみに、短編集なので、表題の小説はすぐに読める。タイトルがコペルニクスの本と似てるので、なんとなく気になって読んでみた。コペルニクスの本は『天球の回転について』だけど、岩波文庫の邦題は『天体の回転について』となっている。この小説には天球とか出てこないし、コリオリの力とかが話題になってるので「天体の回転について」で問題ないのかもしれない*1

しかし、解説の文章で

天動説の提唱者コペルニクスの著書 p.365

と書いてあるにはビックリした。さすがに、これはマズいですよ…。

Postscript(2014/12/6)

上の間違いほどひどくはないにせよ、ちょっとどうかなと思う間違いを見つけたので紹介。高橋昌一郎『理性の限界』p.116について。これも『天体の回転について』とコペルニクスの著書を紹介してるけど、それ以外にも・・・

惑星が天上で後戻りする逆行現象が古代から観測されていて、そのような奇妙な動きもそれぞれの惑星の円道で説明しなければなりません。そのため、天動説は80もの「周転円」と呼ばれる惑星軌道の組み合わせから合成されていました。 

逆行を説明するだけなら周転円の個数はあまり関係ないし、そもそも周転円の数が80というのは多すぎでは?cf. Daily Life:「科学的思考」のレッスン

*1:もっとも、この小説の英題は"On the Revolutions of the Celestiral Spheres" なので、天体と天球の区別がついてないのかもしれない