Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

厳密含意か厳密条件法か

様相論理の歴史的な解説を読むと、C.I.ルイスの名前を見かける。それで「厳密含意strict implication」という言葉を目にするのだが、私はてっきり今でもこの用語を使うのだと思っていた。でも、条件法と含意との区別を守ろうとするなら、むしろ「厳密条件法strict conditional」の方がよさげだったりするのだろうか…。

さて、ルイスというとS1からS5までのさまざまな体系を作ったということになっているが*1、哲学者向けの普通の解説だとS4とS5しか登場しない。それ以外の3つはどうなってるのだろうか?。調べたところ、どうも、necessitation ruleが成り立たないらしく、普通のクリプキ意味論で扱えないようだ。「非正規non-normalな体系」とか呼ぶそうだ。

S1-S3の中ではS2が一番重要みたいだ。ダメットが「ウィトゲンシュタインの数学の哲学」の中で触れているし(理由になってない…)。S2では

  • ☐φ → φ

が成り立つ。強さでいうと、S2とS4の間にTがくる。S3はS2とS4の間には入らないようだ…。

それにしても、このサイト(John Halleck's Logic Systems)とか見ると、様相論理って迷宮だなと思うね…。

*1:Sは"strict implication"の"S"らしい。