Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

哲学者の殺害

優れた哲学者が病に倒れて早死にすることは、しばしばある。でも、殺害されるケースとなるとあまり聞かない。近代以降の哲学者で、ぱっと思いついたのは以下のケース。

古代まで含めると結構悲劇的な最期を迎えた学者が多いかもしれない。アルキメデスとかセネカとかヒュパティアとか。ソクラテスは悲劇的な最期といっていいのかどうか分からん。

Postscript

アイケ・ピース『デカルト暗殺』という本を読んだ。定説によれば、デカルトスウェーデンで肺炎にかかって客死したことになっているが、本書の著者によれば、デカルトは暗殺された疑いが濃厚とのこと。また、訳者あとがきは、悲惨な最期をとげた古今の哲学者を何人か紹介している。上のリストから漏れた人物としては、ジョルダーノ・ブルーノやエーディト・シュタイン、三木清など。

*1:シュリックを殺害したヨハンという元学生については諸説ある。シルヴィアという女性とシュリックと三角関係だったとか、ヨハンは統合失調症でまともじゃなかったとか。裁判もナチスの影響からか不審な点が多い。弁護人は、シュリックの助手ヴァイスマンはユダヤ人だとか、「神」に関する言明を無意味と断じているとか、ヨハンは生粋のドイツ人でカトリックだから情状酌量の余地があるとか主張して、懲役10年で終わった。高橋『知性の限界』pp.50-53