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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

バーカン式

量化様相論理で有名なバーカン式についてのメモ。

厳密含意との関連

一階論理の妥当式である分配法則

  • ∀x(α→β)→(∀xα→∀xβ)

にあらわれる実質含意を厳密含意に置き換えると

  • ∀x□(α→β)→□(∀xα→∀xβ)

となる。一見すると、これは妥当式にみえるが、証明にはバーカン式

  • ∀x□φ→□∀xφ

を使う*1。証明はシンプルである。まず、φにα→βを代入して

  • ∀x□(α→β)→□∀x(α→β)

を得る。分配法則∀x(α→β)→(∀xα→∀xβ)は妥当式であるから、必然化により

  • □[∀x(α→β)→(∀xα→∀xβ)]

が得られる。ここから公理Kとmodus ponensにより

  • □∀x(α→β)→□(∀xα→□∀xβ)]

が得られる。→の推移性により

  • ∀x□(α→β)→□(∀xα→∀xβ)

となる(証明終)。

認識論理との関連

ボックスを知識として解釈すると、バーカン式は

  • ∀xK(F(x))→K∀x F(x)

となる。前件は事象様相であることに注意すると、これに対する反例は、すべての対象を見知っていて、それらが全部Fだと知っているが、自分が見知っている対象がすべての対象だということを知らない、といった状況だろうか。

*1:というか、これを証明するために、バーカンはバーカン式を措定したといった方がただしいかも。