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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

創造性

色々忙しくて、また間が空いてしまった…。

親戚の人に勧められて、NHKが週1で放送している「スーパープレゼンテーション」をしばらく前から見始めた。「なるほど!」と思うスピーチもあれば、全然説得されなくてカム着火インフェルノまでブチ切れそうになることもある。例えば…

Elizabeth Gilbert: Your elusive creative genius | Video on TED.com 

とりあえず、どうでも突っ込みから始めると、ソクラテスはよくダイモーンに憑かれていたと言われてるけど、彼は「何も書かなかった」と思うよ。

うーん…。そりゃ私もテレビアニメとか見ていて、「これは神回だわ」と唸るときもあるけど、それは言葉の綾で、それが神や妖精の仕事だとは思いたくない…。

科学的な正当性を疑う人もいるだろうけど、創造性が何に由来するかは分かってないからどう考えようと自由だって?たしかに全部は分かってないだろうけど、心理学において全く解明されてないとも思えない。創造性について考える手がかりくらいなら結構あるんじゃないかな。例えば、どっかで読んだ話だと、音楽の即興演奏はあらかじめ幾つかのパターンを頭の引き出しに入れておかないと無理だとか、創造性の起源は被捕食者が全力で逃げるときにランダムに方向を変えるといった確率的プロセスにあるんじゃないかとか…。

ところで、プレッシャーで殺されかけているのは芸術家だけじゃない。スポーツ選手はどうだろう。彼らは実際に身体に相当な負荷をかけているから肉体的にも精神的にもぼろぼろになる。でも選手が調子のいいときにすごいプレーをみせたからといって、もちろん喝采は送るけど、神がかりだと「本気では」思わない。野球だと今日のラッキーボーイとか言うけど。例えば、その日の打席で毎回ヒットを打ったら驚きだけど、長いシーズンの中でそういう日があるのは統計的には不思議ではないという話を聞いたことがある。少なくとも、芸術家やスポーツ選手の素晴らしい仕事ぶりに最大限の賛辞をおくることは、彼らを神秘化することなしにできることだと思う。

ギルバート女史の提案は、作り手としては彼女が薦めるような心構えをとると楽になる、というところに煮詰まるんだろうけど、これもどうかなぁ。例えば、天国に行けると思えれば天罰を恐れないで人生気楽になるかもしれないけど、そんなまがい物の信念をもってまで気楽に生きたいとは思わない、とか思った。