Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

逆整礎

様相論理のメモ。レープの定理に相当する

  • L:□(□p→p)→□p

という様相論理の式(□を「証明可能」と読む)は、どういう到達可能性関係をもつフレームに対応するのか、前から気になっていた。答えは、逆整礎(converse well-founded)というフレームだそうだ。もっとも、この関係は一階の言語では記述できないようだが。

公理系KLでは

  • 4:□p→□□p

が導出できる(この導出は結構難しいが、Lの図式文字pに"□p&p" を代入すると上手くいく)。したがって、KL = KL4であり、KLのフレームの到達可能性関係は推移的でもある。

あと、どっかのサイトで、KLのフレームは非反射的(irreflexive)というのを読んだ記憶があるけど、どうもそれは有限フレームの場合の話らしい。つまり、フレームに関して

  • 有限+推移的+非反射的

という条件を課すことと

  • 有限+推移的+逆整礎

という条件を課すことは同値。

Postscript (2014/8/10)

KLより弱いK4にも、色々と妙な定理がある。例えば、公理系K4では、以下が証明できる。

  • □◇□◇p ⇔ □◇p