Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

偶然性と様相オペレータ

「Pは偶然である」は「Pと¬Pはどちらも必然でない」という風に定義される。記号化すると、"▽P ≡ ¬☐P&◇P"という感じか。伝統的な哲学では、偶然の反対は必然だけど、その場合の必然は、様相論理の"☐"には対応していない気がする。

ところで、近世の哲学者は、しばしば因果的決定論を取りつつ時空内の出来事は偶然的であると言う。しかも、この場合の「偶然」はある出来事が先行する原因に支配されていることと同義だという. cf. 中島義道『カントの読み方』p.18

たしかに、何らかの先行する原因に制約されるといったことがなく無時間的に真である分析的真理と比べると、この特徴づけはそれ程変ではないのかもしれない・・・という気はする。中島氏はこうした偶然の特徴づけは常識、と言い切ってるけど。常識ではないような。

Postscript (2013/12/1)

上で「伝統的な哲学では、偶然の反対は必然だけど」と書いた。この場合「Pは必然である」ということで意味されるのは

  • ☐P∨☐¬P

ということであり、この式は▽Pの否定になっている。こう考えると、偶然の反対は必然よりも決定論だというべきなのかもしれない。
ちなみに、◇P ≡ ¬☐¬P を踏まえると、この図式は

  • Dc:◇P→☐P

と同値になる*1。この図式に対応するフレームの到達可能性関係をRとすると、

  • ∀u(∃vRuv → ∃!vRuv)

または

  • ∀u∀v(Ruv → ∃!wRuw)

となる。

*1:☐(PvQ)→☐Pv☐Q とも同値。

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