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Skinerrian's blog

論理学・哲学・科学史・社会学などに興味があるので、その方面のことを書きます。更新は不定期。

真理関数

数学ガール』でも言われるように、定義をあまり省みずに専門用語を使うのはよくないと思って、「真理関数truth function」について少し復習してみた。大雑把にいえば、真理値の列を入力にとって真理値を出力する関数が真理関数と呼ばれる。

それに対し、真理関数的truth-functionalな結合子について語られることがある。結合子が真理関数的であるとは、大雑把に言えば真理表で意味を与えられるということ。もう少し厳密には、n項の結合子"C"が真理関数的であるとは、"C(φ1, φ2, ..., φn)"の真理値が、"φi"の真理値のみから計算されることをいう…。

大体こんな感じだと思うけど、哲学の入門書とかだと結構ルーズな場合がある気がする。さっき面白いのを見つけた。田島正樹『読む哲学事典』p.37によると

要素命題の具体的意味内容のいかんにかかわらず、その真理値によって真偽が確定される複合文を、真理関数という。

真理関数であるのは複合文である、と。これは『論理哲学論考』の影響ではないかと思われる。5番によると

  • 命題は要素命題の真理関数である。

でも、この用法はあまり一般的でないから止めた方がいいと思う…。

読む哲学事典 (講談社現代新書)

読む哲学事典 (講談社現代新書)

追記

スピノザという暗号』p.130だと「否定とか連言とか選言といった操作は、「真理関数」と呼ばれることがある」とあるので、真理関数は複合文のことではないと考えているようだ。しかし、この頁は別の意味で用語法が色々気になるかも…。「その関数の定義域の中にこの関数自身を投入すること(すべての集合の集合を考えること)」とかよく分からない。それに、この頁に関連する註でポアンカレの"non predicative"を「非確定的」と訳しているのも気になる。「非述語的」か「非可述的」が一般的ではないかと思う。